「お腹が張って苦しい」
「ガスが溜まりやすく、人前が不安」
「食事に気をつけているのに改善しない」
過敏性腸症候群(IBS)の方にとって、ガスの問題は生活の質を大きく下げる悩みです。
そしてこの症状、腸が弱いからでも食べ方が下手だからでもありません。
体の仕組みを知ると、理由はとても明確です。
まず、お伝えしたいのは、FODMAPという考え方。
FODMAPとは何か?
FODMAPとは、小腸で吸収されにくく、大腸で発酵しやすい糖質の総称です。
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Fermentable(発酵性)
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Oligosaccharides(オリゴ糖)
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Disaccharides(二糖類)
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Monosaccharides(単糖類)
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And
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Polyols(糖アルコール)
これらは大腸で腸内細菌のエサになり、ガスを大量に発生させやすい特徴があります。
IBSの方は、このガスによる腸の膨張や刺激を「痛み」「張り」「不快感」として強く感じやすい。
つまり、ガスそのものより『感じやすさ』が問題なのです。
IBSタイプ別:症状の出方は違う
IBSは大きく3タイプに分けられます。
① 便秘型(IBS-C)
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ガスが溜まりやすい
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お腹が常に張る
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出口が硬く、排出できない
▶ 高FODMAP食品で発酵
→ガスが逃げ場を失い、張りが強くなる傾向。
② 下痢型(IBS-D)
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腸の動きが過剰
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少しの刺激で便意が起こる
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ガスと一緒に腹痛が出やすい
▶ 発酵+腸の過敏性で、急激な腹痛・下痢につながりやすい。
③ 混合型(IBS-M)
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便秘と下痢を繰り返す
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ストレスの影響を強く受けやすい
▶ 食事・ストレス・生活リズムの影響が複雑に絡む。
どのタイプでも共通して言えるのは、
「腸が安心できていない状態」ということです。
控えたい【高FODMAP食品】
特にガスが増えやすい代表例👇
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小麦製品(パン・パスタ・うどん)
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牛乳・ヨーグルト(乳糖)
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玉ねぎ・にんにく・ねぎ
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豆類(大豆・ひよこ豆)
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果物:りんご・梨・マンゴー
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甘味料:キシリトール・ソルビトール
「健康に良い」と言われるものでも、IBSの腸には刺激が強すぎることがあります。
ですが、あくまで個人差があると考えます。
いろいろ試してみて、体の反応でこれはOK、これは控えようかなと判断していただくのが良いと思います。
比較的安心な【低FODMAP食品】
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白米・おかゆ
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卵
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鶏肉・魚
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にんじん・ほうれん草・かぼちゃ
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バナナ(未熟〜中熟)
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いちご・ブルーベリー
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乳糖除去牛乳
ポイントは、消化しやすく、発酵しにくいこと。
低FODMAP・一日の献立例
朝
・白米
・卵焼き
・味噌汁(具はにんじん・わかめ)
昼
・おにぎり
・焼き魚
・ほうれん草のおひたし
夜
・白米
・鶏むね肉の蒸し料理
・かぼちゃの煮物
・スープ
派手さはありませんが、腸にとっては「安心できる食事」です。
ストレスと自律神経が腸に与える影響
IBSは、腸だけの問題ではありません。
腸は「第二の脳」と呼ばれるほど、自律神経と深くつながっています。
ストレスがかかると👇
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腸の動きが乱れる
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消化液が減る
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ガスが溜まりやすくなる
つまり、同じ食事でも、緊張状態だと症状が出やすい。
「何を食べるか」だけでなく「どんな状態で食べているか」も重要です。
大切なこと:一生制限しなくていい
低FODMAP食は、腸を落ち着かせるための一時的な手段。
ずっと我慢するものではありません。
腸が落ち着いたら、少しずつ食材を戻しながら「自分の腸が苦手なもの」を知る。
これが、振り回されない体づくりにつながります。
最後に
ガスが出やすいのは、あなたのせいではありません。
腸が敏感なだけ。
体が「今はつらい」と教えてくれているだけ。
責めるより、安心できる環境を整えること。
それが、IBS改善の一番の近道です。



