総タンパク(TP)が高い…栄養たっぷりとは限らない?血液検査から体の状態を考える

「健康診断の血液検査で、総タンパク(TP)が7.8や8.0と高かった。お肉やプロテインをがんばって食べている成果が出ている、私は栄養たっぷりで健康的!」

そう喜んでいる方に知っておいていただきたいことがあります。
体の仕組みから見ると、その高い数値は必ずしも喜ばしいサインではなく、体の中で細胞が壊れていることを知らせる信号である可能性があります。

食事で満たされる「健康な総タンパク」の上限は7.5

血液検査の総タンパク(TP)は、血管の中にあるすべてのタンパク質の濃度を測定したものです。
血液中のタンパク質の大部分は、肝臓で作られる「アルブミン」と、免疫に関わる「グロブリン」で占められています。

一般的な基準値では、総タンパクは6.5〜8.0程度とされていますが、食事からお肉や魚、卵をしっかり食べて健康的に合成できる総タンパクの生理的な上限は、およそ7.5g/dL程度とミヨラボは学んできました。

どれだけ食事やプロテインをがんばっても、食事由来の合成だけでこの値を大きく超えることは基本的にありません。

もし数値がこれ以上に高くなっているとしたら、それは食事による栄養ではなく、別の理由で血管の中にタンパク質が増えている可能性があります。

数値が高い本当の理由は「血球が壊れる」溶血

食事だけでは上がらないはずの総タンパクが高くなる理由の一つが、赤血球白血球血小板といった血液細胞が体内で壊れてしまう「溶血」です。

血液細胞は骨髄という工場でタンパク質を材料に組み立てられていますが、

・体内のエネルギーの不足
・強いストレス

などの影響で細胞が完成する前に壊れてしまうことがあります。
細胞が壊れると、内部に閉じ込められていたタンパク質が血管内に漏れ出し、総タンパクの数値を押し上げてしまうのです。

つまり総タンパクが高いのは、栄養が満ち足りているサインというより、体内で細胞の破壊が起きていることの表れである可能性があるということです。

貧血気味なのにTPが高い、という矛盾

「ヘモグロビンが低く明らかに貧血気味なのに、総タンパクだけが高い」という、一見矛盾したケースもあります。

これは、エネルギー不足で骨髄が健康な赤血球を最後まで組み立てられず、未完成のまま壊れてしまった結果、その残骸のタンパク質が血管内に漏れ出しているために起こる現象と考えられます。

栄養不足の状態ほど、こうした細胞の破壊が起こりやすく、「タンパク質は足りている」と勘違いして食事量を減らし続けると、体の負担が積み重なっていくことがあります。

総タンパクの裏を読む「BUN」との掛け合わせ

血液データは、一つの数値だけで判断するのではなく、別の数値と組み合わせて読み解くことが大切です。
総タンパクが高いときに、本当に栄養が足りているのか、それとも細胞が壊れているのかを見分ける手がかりになるのが「尿素窒素(BUN)」という項目です。

  • 栄養がしっかり摂れている場合:総タンパクが7.3前後で、BUNも15〜20前後と、摂取と処理のバランスが取れている
  • 細胞が壊れて総タンパクが高い場合:総タンパクが7.7と高いのに、BUNは低め

BUNが低いというのは、食事からのタンパク質の消化・吸収がうまくいっていないサインです。それにもかかわらず総タンパクだけが高いということは、食事由来ではなく、体自身の組織が分解されてタンパク質が血管に流れ出ている可能性を示しています。

体を「回復モード」に整えるために

細胞の破壊を防ぎ、体を回復方向へ整えるための食事や生活の基本(主食のしっかりした摂取、消化に負担をかけないタンパク質の摂り方、自律神経を整えること)については、以下の記事でも詳しく解説していますので、あわせてご覧ください。

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まとめ

  • 食事だけで合成できる総タンパクには生理的な上限があり、それを超える高さには別の理由が考えられる
  • 総タンパクが高い背景には、エネルギー不足やストレスによる血液細胞の「溶血」が関係していることがある
  • 貧血気味なのに総タンパクが高いという矛盾したデータは、細胞の破壊が起きているサインの可能性がある
  • 総タンパクは単独で見るのではなく、BUNなど他の数値と組み合わせて読み解くことが大切

血液検査の数値は、体からの大切なメッセージです。
自分の数値の意味を詳しく知りたい方は、体質改善の完全ガイドもあわせてご覧ください。

宇都宮で体質改善をしたい方へ|体質改善とは?完全ガイド

※本記事は一般的な情報提供を目的としており、医学的な診断を行うものではありません。健診結果について気になる点がある場合は、医療機関にご相談ください。