お肉を食べていないのに尿素窒素(BUN)が高い:「糖新生」という体ボロボロのサイン

Albumin deficiency 体質改善

「糖質制限をがんばっているのに、血液検査で尿素窒素(BUN)が高いと言われた。お医者さんには『タンパク質の摂りすぎでは』と言われたけれど、お肉なんてそんなに食べていないのに、なぜ?」

こうした矛盾したデータに悩む方は少なくありません。
実はこの数値、タンパク質の摂りすぎではなく、体が自分自身を分解している「糖新生」のサインである可能性があります。

脳を救うための「自家発電システム」

脳が使えるガソリンは、原則としてブドウ糖だけです。
糖質制限や極端な食事制限で主食を抜くと、血液中のブドウ糖はすぐに底をつき、体に蓄えられた予備の糖も半日程度でなくなってしまいます。

エネルギーが枯渇すると、体は生き延びるために、自分の筋肉を壊してアミノ酸を取り出し、それを肝臓でブドウ糖に作り替える「糖新生」という反応を稼働させます。

なぜ「窒素のゴミ」が出るのか

ここで注目したいのが、タンパク質という物質そのものの構造です。

少し専門的な話になってしまいますが…
ブドウ糖が炭素・水素・酸素だけでできているのに対し、タンパク質(アミノ酸)にはこれに加えて「窒素」が組み込まれています。

アミノ酸をブドウ糖に作り替えるには、この窒素を切り離す必要がありますが、切り離された窒素は、そのままだと脳に強い毒性を持つ「アンモニア」という物質になってしまいます。

そこで肝臓は、このアンモニアを安全な「尿素窒素(BUN)」という形に作り替え、腎臓を通じて尿として排出しようとします。

つまり、血液検査で尿素窒素が高いということは、体内で大量のタンパク質が分解され、その処理工場である肝臓がフル回転していることの表れである可能性があるのです。

お肉をあまり食べていないのに数値が高い場合、それは食事からのタンパク質ではなく、自分自身の筋肉が分解されている証拠かもしれません…

糖質制限による体重減少の裏側にある「筋肉と水分」の関係については、以下の記事でも詳しく解説していますので、あわせてご覧ください。

筋肉の次に狙われる「優先順位」

「筋肉が少し減るくらいなら」と軽く考えてしまいがちですが、体は非常に合理的にできています。

筋肉をある程度分解し、これ以上減らすと生命維持に支障が出るラインに達すると、体は次のような優先順位で、より重要度の低い組織を分解していきます。

  1. 腱・靭帯:関節を支える組織が緩み、関節の痛みや体の硬さにつながることがある
  2. 骨・軟骨:骨を構成する土台が分解され、骨がもろくなる要因になり得る
  3. 皮膚・コラーゲン:肌のハリを支える繊維が分解され、たるみやシワにつながることがある
  4. 内臓の壁・粘膜:胃腸を形作る組織まで分解され、消化不良や便秘の慢性化につながることがある

お米を極端に減らすということは、こうした体の土台を少しずつ分解しながら、脳のエネルギーを捻出し続けている状態とも言えます。

糖新生を止めるためにできること

糖新生を止め、体を分解モードから回復モードへ切り替えるための食事の基本(主食のしっかりした摂取、空腹時間が長くなる際の対応)については、以下の記事でも詳しく解説していますので、あわせてご覧ください。

まとめ

  • 尿素窒素(BUN)が高いのは、タンパク質の摂りすぎだけでなく、自分の筋肉が分解されているサインの可能性がある
  • タンパク質から窒素を切り離す過程で生まれるアンモニアを、肝臓が尿素窒素に作り替えて排出している
  • お肉を食べていないのに数値が高い場合は、食事由来ではなく自己分解の結果であることが考えられる
  • エネルギー不足が続くと、体は筋肉だけでなく、腱・靭帯、骨、皮膚、内臓の順に組織を分解していくことがある

血液検査の数値は、体からの大切なメッセージです。自分の数値の意味を詳しく知りたい方は、体質改善の完全ガイドもあわせてご覧ください。

※本記事は一般的な情報提供を目的としており、医学的な診断を行うものではありません。健診結果について気になる点がある場合は、医療機関にご相談ください。