「ファスティングを始めて2日目、ひどい頭痛と吐き気が出てきた」
「手足が氷のように冷えて、体が重い」
ファスティングをしていて、このような体調不良を経験したことはありませんか?
そんなとき、
「これは体の中の毒素が出ている証拠です」
と言われることがあります。
でも、本当にそうなのでしょうか?
体調が悪くなったときに、それを「好転反応だから」「デトックスが進んでいるから」と考えて無理に続けてしまうのは注意が必要です。
頭痛やだるさには、空腹によるエネルギー不足や体内の変化など、さまざまな原因が考えられます。
また、冷えや吐き気、便秘なども、単純に「毒素が出ている」とは言い切れません。
今回は、ファスティング中に起こりやすい「冷え」「胃腸の不調」に注目して、体の中で何が起きているのかを分かりやすく解説します。
ファスティングによって起こる体の変化については、こちらの記事でも詳しく解説しています。
【16時間断食の嘘】体の中で何が起きている?本当に痩せるのかを徹底解説
ファスティング中に「冷える」のはなぜ?
「ファスティングを始めたら、夏なのに手足が冷たくなった」
このような変化を感じる人もいます。
その理由の一つとして考えられるのが、食事から入ってくるエネルギーが減ることです。
私たちの体は、食べ物を消化・吸収するときにもエネルギーを使います。
その一部は熱として体から生み出されます。
そのため、食事を長時間とらない状態が続くと、食事をしたときと比べて、この熱を生み出す働きも少なくなります。
さらに、エネルギーが不足すると、体は生命を維持するために、できるだけエネルギーを使わないように調整することがあります。
いわば、
「今はエネルギーが足りないから、無駄遣いをやめよう」
という状態です。
その結果として、手足の冷えやだるさを感じることがあります。
もちろん、冷えには血流や自律神経、体温調節など、さまざまな要因があります。
そのため、ファスティング中の冷えをすべて「エネルギー不足」と決めつけることはできません。
ただし、
「冷えている=毒素が出ているから我慢すればいい」
と考えるのではなく、体が出している変化の一つとして受け止めることが大切です。
吐き気や便秘、お腹の張りはなぜ起こる?
ファスティングをしていると、
「お腹が空かなくなった」
「胃が軽くなった」
「頭がスッキリした」
と感じることがあります。
一方で、
- 吐き気がする
- お腹が張る
- 便が出にくい
- 胃がムカムカする
といった症状が出る人もいます。
こうした変化を、
「胃腸が休んでいるから良いこと」
と説明されることがあります。
しかし、体調不良が出ている場合には、別の可能性も考える必要があります。
ストレスや空腹で胃腸の働きが変わることも
強い空腹や体への負担が続くと、体は「今は大変な状態かもしれない」と判断します。
すると、体を緊張させる方向に働く仕組みが強くなります。
この状態では、胃腸の動きが普段とは変わることがあります。
その結果、
胃腸の動きがゆっくりになる
↓
食べ物やガスが移動しにくくなる
↓
お腹の張りや便秘などを感じる
ということも考えられます。
また、空腹が長く続くことで、体内のエネルギー状態が変化し、吐き気や頭痛、だるさなどを感じる場合もあります。
つまり、
「お腹が空かない=胃腸が完全に元気になった」
とは限りません。
体が一時的に食欲を感じにくくなっている可能性もあります。
「頭が冴えた」「元気になった」と感じることもある
ファスティングを始めた直後に、
「意外と元気!」
「頭がスッキリする!」
と感じる人もいます。
これもファスティングの効果として紹介されることがあります。
実際、食事をとらないことで体のエネルギーの使い方が変わり、いつもとは違った感覚を覚えることはあります。
ただし、
「元気に感じる=体に負担がかかっていない」
とは限りません。
体は空腹やストレスに対応するため、さまざまなホルモンを使って状態を調整しています。
そのため、一時的に気分がシャキッとすることがあっても、その後に強い疲労感や頭痛、冷えなどが出てくる場合があります。
体調の変化は、一つの感覚だけで判断しないようにしましょう。
本当の「デトックス」を担っているのは?
そもそも「デトックス」という言葉から、
「食事を抜けば、体の中の毒素が外へ出ていく」
というイメージを持っている人も多いでしょう。
しかし、体にはもともと老廃物などを処理して外へ出す仕組みがあります。
その中心となるのが、肝臓や腎臓です。
肝臓は、体に入ってきたさまざまな物質を処理する仕事をしています。
腎臓は、血液をろ過して、不要になったものを尿として体の外へ出しています。
こうした働きは、ファスティングをしなくても、私たちが普段から行っているものです。
そして、肝臓などが働くためにも、エネルギーやタンパク質、ビタミン、ミネラルなどの栄養素が必要です。
そのため、
「何も食べないほどデトックスできる」
と単純に考えることはできません。
むしろ、体の働きを支えるために、普段から必要な栄養をきちんと摂ることも大切です。
体調が悪くなったら「続けるべきサイン」と考えない
ファスティング中に、
- 強い頭痛
- 吐き気
- 強いだるさ
- 手足の強い冷え
- めまい
- 動悸
- 意識がぼんやりする
などの症状が出た場合、
「毒素が出ている証拠だから、もう少し我慢しよう」
と考えて無理をするのはおすすめできません。
体調不良には、脱水、低血糖、栄養不足など、さまざまな原因が考えられます。
症状が強い場合や長く続く場合は、ファスティングを中止し、必要に応じて医療機関へ相談しましょう。
特に持病がある方や薬を服用している方、妊娠中・授乳中の方は、自己判断で長時間の断食を行わないことが大切です。
まとめ|「つらい=デトックス」と決めつけない
ファスティング中に起こる体調の変化は、すべてが「毒素が出ているサイン」というわけではありません。
今回のポイントをまとめると、
- ファスティング中の冷えは、食事量の減少やエネルギー不足などが関係している可能性がある
- 吐き気や便秘、お腹の張りは、空腹やストレスによって胃腸の働きが変化して起こることがある
- 「お腹が空かない」「頭が冴える」と感じても、それだけで体が健康になっているとは判断できない
- 体の老廃物を処理・排出する中心的な役割を担っているのは、肝臓や腎臓
- 体調不良を「デトックスだから大丈夫」と決めつけず、体からのサインとして確認することが大切
ファスティングは「長く我慢できるほど良い」というものではありません。
大切なのは、
「食べないこと」ではなく、自分の体に必要な栄養を確保しながら、無理なく健康を整えること。
もしファスティング中に体調が悪くなったら、「これもデトックスの一部」と我慢する前に、まず自分の体の状態を振り返ってみましょう。
体質から整えてダイエットしたい方は、こちらの記事もあわせてご覧ください。
体質改善ダイエットとは?食事制限だけのダイエットとの違い【宇都宮】
※本記事は一般的な情報提供を目的としたもので、医学的な診断や治療を行うものではありません。強い頭痛、繰り返す嘔吐、意識がぼんやりする、強い脱力などがある場合は、ファスティングを中止して医療機関にご相談ください。



