「16時間食べなければ、自然に痩せられる」
「空腹の時間を作れば、細胞が若返る」
SNSやテレビなどで話題になった16時間断食(インターミッテント・ファスティング)。
「簡単に痩せられるなら試してみたい」と思っている方も多いのではないでしょうか。
一方で、長い時間食事を抜くことが、すべての人に合うとは限りません。
特に、40代・50代になると、若い頃と同じような食事制限をしても、思うように体重が落ちなかったり、疲れやすくなったりすることがあります。
無理に食事を減らすのではなく、必要な栄養をきちんと摂りながら体を整える考え方については、こちらの記事でも詳しく解説しています。
アラフォー・アラフィフの女性にファスティングは合わない?「しっかり食べて痩せる」体の仕組み
今回は、16時間という長い空腹時間を作ったとき、体の中でどのような変化が起こるのかを見ていきましょう。
1.16時間断食で体重が減る=脂肪が減った、とは限らない
16時間食べないと、体は食事から入ってくるエネルギーを使えなくなってきます。
すると、体に蓄えていたエネルギーを使うようになります。
このときに起こるのが、「糖新生(とうしんせい)」です。
難しい言葉ですが、簡単にいうと、
「足りないブドウ糖を、体の中にある材料から作る仕組み」
です。
その材料として、筋肉などのタンパク質が使われることがあります。
さらに、食事をしていないことで体内の水分量も変化します。
そのため、断食を始めて体重がスッと減ったとしても、
「脂肪が一気に減った」
とは限りません。
脂肪だけでなく、体内の水分や筋肉量の変化によって体重が減っている場合もあるということです。
体重の数字だけで判断しないことが大切です。
水分とむくみの関係については、こちらの記事でも詳しく解説しています。
靴がキツい、足がパンパン…「夕方のむくみチェックリスト」であなたの真犯人を見抜く
2.長時間の空腹では、体のエネルギーの使い方が変わる
食事から入ってくるブドウ糖が少なくなると、体は別のエネルギー源を使うようになります。
その一つが、体に蓄えられている脂肪です。
脂肪が分解されると、「脂肪酸」という形になって血液中に出てきます。
さらに空腹が長く続くと、肝臓では脂肪から**「ケトン体」**という物質が作られます。
ケトン体は、ブドウ糖が少ないときに脳などが利用できるエネルギー源の一つです。
つまり、
食事からブドウ糖が入ってこない
↓
体に蓄えた脂肪を使う
↓
その一部からケトン体が作られる
↓
ブドウ糖が少ないときのエネルギーとして利用する
という流れが起こります。
これは体が持っている自然な仕組みです。
ただし、長時間の断食では、体調や栄養状態によってだるさ、頭痛、集中力の低下などを感じる人もいます。
また、糖尿病の治療薬を使用している方などは、自己判断で断食を行うと血糖値に影響することがあるため注意が必要です。
血液中のタンパク質が体の中でどんな役割をしているのかについては、こちらの記事も参考にしてください。
「むくんでいるのに血圧が低い」なぜ?体の中で起きているアルブミン不足の仕組み
3.「16時間空ければ必ず痩せる」わけではない
16時間断食では、
「食べる時間を短くすれば、自然と食べる量も減る」
というメリットがあります。
一方で、空腹時間が長くなった反動で、
「次の食事で一気に食べてしまう」
ということもあります。
例えば、
「朝食を抜いたから、お昼はたくさん食べる」
「長時間我慢したから、夕方に甘いものが止まらない」
という状態です。
こうなると、断食によって食事時間を短くしても、結果的に1日の摂取量があまり変わらないことがあります。
また、空腹状態から一度にたくさん食べると、食後に血糖値が大きく上がることもあります。
その後、血糖値が下がることで、
- 強い眠気
- だるさ
- 空腹感
- 甘いものが欲しくなる
といった感覚につながることもあります。
そのため、「16時間食べないこと」そのものより、自分に合った食事のリズムを作ることが大切です。
4.「胃腸を休めたい」なら、完全に食べない必要はない
16時間断食をする理由として、
「胃腸を休ませたい」
という考え方もあります。
確かに、食べ過ぎが続いている場合などは、食事量を見直すことが役立つ場合があります。
ただし、
「胃腸を休める=何も食べない」
と考える必要はありません。
体調に合わせて、消化しやすい食事に変えるという方法もあります。
例えば、
普段の食事
ご飯、お肉、お魚、野菜など、通常の食事を摂る。
胃腸が疲れているとき
お粥やスープなど、消化しやすい食事にする。
食欲が落ちているとき
一度にたくさん食べようとせず、少量を何回かに分ける。
このように、「食べる・食べない」の二択ではなく、体調に合わせて食事の量や形を調整するという考え方もあります。
5.16時間断食が合わない人もいる
16時間断食は、誰にでも同じように効果が出る方法ではありません。
特に、
- 空腹になると体調が悪くなる
- 強い疲労感がある
- 食事を抜くと集中できない
- 反動で食べ過ぎてしまう
- 妊娠中・授乳中
- 成長期
- 糖尿病などの治療を受けている
といった場合は、自己判断で長時間の断食を続けるのではなく、医師や管理栄養士などに相談することが大切です。
「16時間我慢できるか」ではなく、その方法が自分の体に合っているかを考えてみましょう。
まとめ|「食べない時間」より、自分の体に合う方法を
16時間断食は、食事の時間を短くすることで、結果的に食べる量を減らしやすくなる方法の一つです。
一方で、長時間食べないことで体重が減っても、それがすべて脂肪の減少とは限りません。
今回のポイントをまとめると、
- 16時間断食で減る体重には、脂肪だけでなく水分や筋肉量の変化が含まれることがある
- 長い空腹が続くと、体は脂肪などを使ってエネルギーを補おうとする
- その過程でケトン体が作られることがあり、これは空腹時のエネルギー源として利用される
- 断食後に一度にたくさん食べると、食後の血糖値が大きく変動することがある
- 胃腸を休ませたい場合は、完全に食事を抜かず、消化しやすい食事に変える方法もある
- 長時間の断食がすべての人に合うわけではない
ダイエットで大切なのは、
「どれだけ長く食べないか」ではなく、「必要な栄養を確保しながら、無理なく続けられる方法を選ぶこと」
です。
「16時間断食をすれば必ず痩せる」と決めつけるのではなく、自分の体調や生活に合った食事の取り方を考えてみましょう。
体質から整えてダイエットしたい方は、こちらの記事もあわせてご覧ください。
体質改善ダイエットとは?食事制限だけのダイエットとの違い【宇都宮】
※本記事は一般的な情報提供を目的としたもので、医学的な診断や治療を行うものではありません。持病がある方、薬を服用している方、妊娠・授乳中の方などは、断食を始める前に医療機関へご相談ください。



