【健康診断の罠】HbA1cが高いのは糖尿病だけが原因?「ストレス」と「赤血球」から考える血糖値の見方

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健康診断でよく目にする「HbA1c(ヘモグロビンA1c)」。

「少し高かったけど大丈夫かな?」
「甘いものを控えているのに、なぜ下がらないんだろう?」

そんな疑問を持ったことはありませんか?

HbA1cが高いと、
「糖尿病かもしれない」
「お米や甘いものを減らさなければ」
と考える方も多いでしょう。

もちろん、HbA1cが高い場合は血糖値の状態を確認する必要があります。

一方で、HbA1cは食べた糖分だけで決まる数字ではありません。

ストレスや体の状態、赤血球の入れ替わりなども関係します。

この記事では、HbA1cの基本的な意味から、「食事を減らしているのに高い」というケースについて、できるだけ分かりやすく解説します。

そもそもHbA1cとは?

HbA1cを簡単にいうと、

「血液中の糖が、赤血球の中にあるヘモグロビンにどのくらいくっついているか」を示す数字

です。

赤血球には、全身に酸素を運ぶ「ヘモグロビン」というタンパク質があります。

血液中のブドウ糖は、このヘモグロビンに自然に結びつきます。

その割合を調べたものがHbA1cです。

赤血球は一定期間、血液の中を流れ続けるため、HbA1cを見ることでその時点だけではなく、過去1~2か月程度の血糖状態をある程度知ることができます。

ただし、赤血球の寿命や入れ替わり方に変化があると、実際の血糖状態とHbA1cの数字にズレが生じる場合があります。

ここが、HbA1cを見るうえで知っておきたいポイントです。

食事を減らしているのにHbA1cが高いのはなぜ?

「甘いものをほとんど食べていない」
「お米も減らしている」

それなのにHbA1cが高い。

そんな場合、食事以外の要因も考えてみる必要があります。

体には、血液中の糖が不足しそうになると、自分の体の中で糖を作る仕組みがあります。

これを「糖新生」といいます。

難しく聞こえますが、仕組みはシンプルです。

食事から糖が十分に入ってこない

体が「糖が足りない」と判断する

体内の材料を使って糖を作る

という流れです。

そのため、「糖を食べていないから、血液中の糖も必ず少なくなる」とは限りません。

ストレスが続くと、体は糖を作りやすくなる

仕事や家庭、人間関係などで強いストレスが続くと、体は緊張状態になります。

そのときに働くホルモンには、血液中の糖を増やす方向に作用するものがあります。

これは、体が危険な状況に備えてエネルギーを確保しようとする自然な反応です。

そのため、

「食事量は少ないのに血糖値が高め」

という状態になることがあります。

特に、

  • 睡眠不足
  • 強いストレス
  • 過度な食事制限
  • 激しい運動
  • 慢性的な疲労

などが重なっている場合は、食事内容だけでなく生活全体を振り返ることも必要です。

「お米を抜けばHbA1cが下がる」とは限らない

HbA1cが高いと、まず炭水化物を減らそうとする方もいるでしょう。

しかし、極端に食事を減らすと、先ほど説明した糖新生が働くことがあります。

つまり、

「糖を食べないようにする」

「体の中で糖が作られない」

ではありません。

むしろ、エネルギーが不足した状態が続けば、体は不足分を補おうとします。

そのため、HbA1cが気になるからといって、自己判断でお米などを極端に減らし続けるのではなく、食事全体のバランスや体調も確認したいところです。

果糖やアルコールも忘れてはいけない

血糖値を考えるとき、食事だけでなく飲み物やお酒にも目を向けてみましょう。

例えば、

  • 清涼飲料水
  • 果汁飲料
  • 甘いお菓子
  • アルコール

などです。

特に果糖やアルコールは、主に肝臓で処理されます。

「砂糖を控えているから大丈夫」と思っていても、飲み物やお酒から意外と多く摂っていることがあります。

果糖について詳しく知りたい方はこちらの記事も参考にしてください。

果糖は血糖値を上げないの嘘?体の中で起きる「大パニック」

HbA1cの数字は「赤血球の状態」でも変わる

HbA1cは、赤血球に含まれるヘモグロビンを使って測定します。

そのため、赤血球が作られるスピードや寿命が変わると、HbA1cの値にも影響する場合があります。

例えば、貧血の種類によっては、HbA1cが実際の血糖状態とは異なる値になることがあります。

つまり、

「HbA1cが高い=血糖値がずっと高かった」

と、必ずしも単純には言い切れません。

健診結果を見るときは、HbA1cだけでなく、血糖値やヘモグロビンなど、ほかの検査結果も一緒に確認すると状況を把握しやすくなります。

HbA1cは低ければ低いほどいい?

「健康診断の数字は低いほうがいい」

と思ってしまいがちですが、HbA1cも単純に低ければいいわけではありません。

血糖値が低くなりすぎれば、脳や体に必要なエネルギーが不足することがあります。

また、HbA1cが低く出ている場合でも、

  • 食事量が少ない
  • 体重が大きく減っている
  • 貧血がある
  • 赤血球の寿命に変化がある

など、別の背景が隠れている可能性があります。

数字を「高い・低い」だけで評価するのではなく、その人の体調やほかの検査結果と合わせて考えることが必要です。

HbA1cと一緒に何を見ればいい?

血液検査では、一つの数字だけを見て体の状態を判断するのは難しいことがあります。

HbA1cが高かった場合も、

  • 血糖値
  • ヘモグロビン
  • 赤血球の状態
  • 肝機能
  • 体重の変化
  • 食事内容
  • 睡眠
  • ストレス

などを合わせて確認します。

今回の記事では「アミラーゼ」という検査項目にも触れていますが、アミラーゼだけで「エネルギーが足りている・足りていない」と判断できるものではありません。

血液検査は、一つの数字だけで結論を出すのではなく、複数の情報を組み合わせて見るものと考えておきましょう。

まとめ|HbA1cが高かったら、まず原因を考えてみよう

HbA1cが高いと、

「甘いものを食べすぎたのかな?」

「もっとお米を減らさなきゃ」

と考えてしまいがちです。

しかし、実際には食事だけでなく、ストレスや睡眠、体のエネルギー状態、赤血球の変化なども関係する場合があります。

今回のポイントは、

  • HbA1cは、血液中の糖がヘモグロビンに結びついている割合を見る数字
  • 食事以外にも、ストレスなどが血糖値に影響することがある
  • 食事を極端に減らすと、体が自分で糖を作ることがある
  • 果糖やアルコールなど、普段の飲み物にも目を向ける
  • 赤血球の状態によってHbA1cの数字が変わる場合がある
  • HbA1cは血糖値や血球の状態などと合わせて確認する

ということです。

健康診断で気になる数字があったときは、

「どうしてこの数字になったんだろう?」

と一歩踏み込んで考えてみましょう。

ただし、HbA1cが高い場合には糖尿病などが隠れている可能性もあります。
ストレスや食事だけが原因と自己判断せず、健診結果について気になる点があれば医療機関で確認してください。

体質から食事や生活習慣を見直したい方は、こちらもご覧ください。

※本記事は一般的な情報提供を目的としたもので、医学的な診断を行うものではありません。