「食べないとイライラ・不安になる」のは意志の弱さじゃない|ダイエット中の心の変化を体の仕組みから解説

brain-serotonin-rice-diet 体質改善ダイエット

「ダイエットを始めたら、なぜか家族や職場の人にイライラしてしまう」
「ご飯やパンを減らすと、気分が落ち込んだり、不安になったりする」
「我慢しようと決めたのに、夜になると甘いものが止まらなくなる」

こんな経験はありませんか?

「自分は意志が弱いのかな」と思ってしまうかもしれません。

でも、食事を極端に減らしたときに起こるイライラや強い食欲には、脳に必要なエネルギーや、気分を安定させる働きに関わる栄養の不足が関係していることがあります。

その代表的なものの一つが「セロトニン」です。

セロトニンは、気分や睡眠、食欲などにも関係している脳内の物質です。

今回は、なぜ食事を我慢すると心まで不安定になりやすいのか、そして「お米」と「タンパク質」をどのように考えればいいのかを、できるだけわかりやすく解説します。

セロトニンは「気持ちを安定させる」ために関わっている

セロトニンは、脳の中で作られる物質の一つです。

気分や睡眠、食欲など、私たちの心身の状態に関わっています。

このセロトニンを作るために必要なのが、トリプトファンというアミノ酸です。

アミノ酸というと難しく感じますが、簡単に言えば、タンパク質を作っている材料の一つです。

トリプトファンは、お肉や魚、卵などの食品にも含まれています。

つまり、セロトニンを作るためには、まず材料となる栄養をきちんと摂ることが大切です。

女性は食事制限の影響を受けやすいことがある

セロトニンの作られ方には、男女で違いがあることが報告されています。

特に、セロトニンの材料となるトリプトファンが不足したとき、女性のほうが影響を受けやすい可能性が示されています。

そのため、

「同じようにダイエットしているのに、私はイライラする」

「食事を減らすと気分が落ち込みやすい」

という人がいても、不思議ではありません。

もちろん、イライラや不安の原因は一つではありません。

睡眠不足や仕事・家庭のストレス、ホルモンの変化など、さまざまな要因が関係します。

ただ、食事を極端に減らしたことが、心の状態に影響している可能性も知っておくとよいでしょう。

トリプトファンが脳に届くには「運び方」も大切

ここから少しだけ難しい話になります。

トリプトファンは、食べたからといって、そのまま脳に入っていくわけではありません。

脳へ運ばれるときには、ほかのアミノ酸と同じ「入り口」を使います。

そのため、ほかのアミノ酸が多いと、トリプトファンが脳へ運ばれにくくなることがあります。

ここで関係してくるのが、インスリンです。

インスリンというと、

「太る原因になるホルモン」

というイメージを持っている方もいるかもしれません。

しかし、インスリンには、食事から入ってきた栄養を筋肉などの細胞へ取り込ませる働きがあります。

ご飯などの炭水化物を食べるとインスリンが分泌され、その働きによって一部のアミノ酸が筋肉などに取り込まれます。

その結果、血液中でトリプトファンが相対的に運ばれやすくなり、脳へ届きやすくなると考えられています。

つまり、

「タンパク質だけを大量に摂ればいい」

という単純な話ではありません。

炭水化物とタンパク質を組み合わせて食べることにも意味があります。

「お米を抜いてタンパク質だけ」は本当にいいの?

ダイエットでは、

「お米は太るから抜く」
「その代わりにお肉やプロテインを摂る」

という方法を選ぶ人もいます。

しかし、体の仕組みを考えると、必ずしもそれがベストとは限りません。

タンパク質はもちろん大切です。

でも、主食を極端に減らしてしまうと、エネルギー不足につながることがあります。

さらに、炭水化物を摂ることで働くインスリンの役割も十分に活かせません。

そのため、ダイエット中も、

ご飯などの主食+お肉・魚・卵などのタンパク質

という組み合わせを基本にすることが大切です。

夜に甘いものが止まらないのは「根性不足」ではない

日中は頑張って食事を減らしているのに、夜になると急に甘いものが食べたくなる。

そして、一度食べ始めると止まらない。

こうなると、

「また食べちゃった……」
「自分はダイエットに向いていない」

と自分を責めてしまいます。

でも、ここで考えてほしいのがその日の食事量です。

朝食を抜いていないか。
昼食を極端に減らしていないか。
ご飯などの主食をほとんど食べていないのではないか。
睡眠が足りていないのではないか。

こうした状態が重なると、体は不足したエネルギーを補おうとして、強い食欲が出ることがあります。

つまり、夜の「ドカ食い」は、単なる意志の弱さではなく、日中に我慢しすぎた反動として起きている可能性もあるのです。

BCAAやアミノ酸サプリは「多ければいい」わけではない

筋トレをしている人の中には、BCAAやアミノ酸のサプリメントを利用している人もいるでしょう。

BCAAは、バリン・ロイシン・イソロイシンという3種類のアミノ酸のことです。

これらも体に必要な栄養ですが、特定のアミノ酸だけを大量に摂れば健康になる、というわけではありません。

トリプトファンを含め、アミノ酸はそれぞれバランスを取りながら体の中で使われています。

そのため、サプリメントに頼って特定のアミノ酸だけを大量に摂るよりも、

お米・お肉・魚・卵など、普段の食事からバランスよく栄養を摂る

ことを基本にするのがおすすめです。

ダイエット中のイライラを減らすためにできること

まずは、難しいことをする必要はありません。

① ご飯を極端に抜かない

主食を極端に減らすと、エネルギー不足や強い空腹につながることがあります。

② タンパク質も一緒に摂る

お肉、魚、卵、大豆製品などを毎日の食事に取り入れましょう。

③ 食事を抜きすぎない

長時間何も食べない状態を繰り返すより、規則的に食事を摂ることを意識しましょう。

④ 甘いものが欲しくなったら、その日の食事を振り返る

「我慢が足りない」と考える前に、食事量や睡眠、疲れなどを確認してみましょう。

まとめ|イライラする自分を責めなくていい

ダイエット中にイライラしたり、不安になったり、夜に甘いものが欲しくなったりすると、

「自分の意志が弱いからだ」

と考えてしまいがちです。

でも、食事を減らしすぎると、体は不足したエネルギーを補おうとしてさまざまな反応を起こします。

セロトニンを作るためにも材料となる栄養が必要です。

そして、その材料が脳で使われるためには、ほかの栄養素とのバランスや、エネルギー状態も関係しています。

だからこそ、

「痩せるために、ひたすら食べる量を減らす」

のではなく、

「体がきちんと働けるように必要な栄養を摂る」

という考え方も大切です。

ダイエット中のイライラや甘いものへの強い欲求が続くなら、まずは自分を責めるのではなく、「体が何かを教えてくれているのかもしれない」と考えてみてください。

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※本記事は一般的な情報提供を目的としたもので、個別の診断や治療を行うものではありません。強い不安感や気分の落ち込みが続く場合は、食事だけが原因とは限らないため、医療機関などの専門家にご相談ください。

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